seize our days
中央大学少林寺拳法部の部員の日記です。その日あったことを部員が入れ替わり書いていきます。ぜひ読んでいって下さい。コメントも気軽にしてみてください☆
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高尾の天狗②
1
夏の森の蒸すような湿気だけでなく、登山者の汗が蒸発した不快な湿気に包まれながら、短くない時間を歩くと、一応の目的地であるグランドヤマト級の寺院であるヤクオウ・テンプルが見えてきた。高尾の頂上に建つそれは、屋根は天を突き、本堂を覆う壁は大地を広く這う巨大建築で、煌びやかな高尾にあってなお人目を引いた。
2
ヤクオウ・テンプルはほんの十数年前まで、小規模なポピュラーテンプルの一つだった。それが第三次バブル経済があったとはいえなぜこれほどまでに巨大になったのか。どこから費用を捻出したのか。答えはトリック担保である。寺の先代住職は人天大戦の英雄であった。先見の明があった先代住職は、大戦終結後に高尾を押さえておくことの重要性を幕府に訴えるも、懐疑的な幕府上層部に反対された。ならばと先代住職は民間の闇商人に建築を依頼。先代住職の武勇を知っていた闇商人は、お国のためならならと、その気になってヤクオウ・テンプルを増築した。
先代住職が担保としたエド・トクガワの埋蔵金が、先代住職の欺瞞であるとも気付かずに。結局欺瞞が発覚したのは増築が完了してからの事だった。住職は当然のごとく借金を踏み倒し、違法行為をしていたが善良だった闇商人は自殺した。しかし、実際この様な事はマッポーの世にあってはチャメシ・インシデントであった。
3
ジャックは寺の広大な境内を肩幅の広いモンクに先導されながら進んでいた。
ヤクオウ・テンプルは今や政府直轄の天狗研究拠点であるが、同時に高尾の奥地への移動拠点でもあった。特殊な電磁波と霧、強風、来るものを拒絶する高低差の激しい地形と停滞する毒を吹く森に覆われた高尾は、通常の方法では奥地どころか中域にすら辿り着けない。
奥地へはカタパルトを使う必要があった。ジャックはヤクオウ・テンプルが保有するそれを使いに来たのだ。
高級ヒノキ鋼材の香るタタミ回廊を進むと、エレベーターホールに突き当たった。いや、エレベーターと呼ぶべきか。大凡電気系統の見受けられない箱型エクスポーターと、床の滑車に通されたロープが嫌なバグ・インフォメイションを告げていた。
「なあ、モンクさん。私はどうやって上に行くのですか」
「心配しないで、ジャックさん。あなたはエレベーターに乗る。私は私のマッスル・アーツでロープを引っ張る。エレベーターは上にいく。よいか?」
「ご親切どうも」
「心配ない。私のマッスル・アーツはテンプルNo. 1。ニンジャにも負けない」
「そうですか」

古事記の中の存在であるニンジャにも負けないとは言い過ぎだ。しかし、ゲス気質のあるモンクではなさそうではある。乗っている最中に落とされる事は無いだろうと見切りをつけ、ジャックは一足でエレベーターに乗った。
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